三郎とおやすみ羊のBMW R1200GSで世界一周の大冒険
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3000年以上前の父と子の絆 / Bond of the father and the son - 3,000 years ago
Day 821: 2012年10月25日
Luxor - Egypt (Boomerang Hostel)
82,141km
昨晩は2時ごろまでブログのアップをしていました。朝5時に迎えが来るので、4時半起き。寝不足じゃ。
オマールも起きてきてくれて、5時前から待っているというのに、ドライバーのアリは30分以上の遅刻。オマールは「エジプト時間だからねぇ。」、とちょっと済まなそうにしてました。
ルクソールから目指すアビドスまではかなりの距離で、夕方のバスに間に合うために朝早く出発したのです。遅れたことを済まないと思っているのか、アリーは飛ばすわ飛ばす。結構危険な追い越しもあるし、怖い。舗装状況はあんまりよくないし、減速させるためのデコボコが結構頻繁にあるので、ガッツンガッツンくるのでなかなか眠れない・・・。
8時過ぎにやっとこさ、アビドスに到着。
アビドスは、古代エジプトの神話に登場するオシリス神復活の地で、エジプト古王国時代にはすでに聖地であったそうです。アビドスには、エジプト新王国最盛期のファラオ、セティ1世、ラムセス2世の葬祭殿、そしてセティ1世の葬祭殿に付属した感じで存在する「謎」の遺跡「オシレイオン」遺跡があるんです。
アリーが「ここは1時間」というので、早速遺跡へ。
先ずはセティ1世の葬祭殿から行って見ましょう。
王家の谷のハトシェプスト女王葬祭殿と比べると外観は見劣りしますが、内装のレリーフが素晴らしいのです。
しかもなんか神々とファラオが仲睦まじい。神々がファラオの腕と肩を抱いてるんですよね。
葬祭殿の中に入ろうとしたら、見慣れた顔が。この間「王家の谷」ツアーでガイドをしてくれたアラディンさんです。「やぁ奇遇だね!」、と。お客さんを一人連れているのであんまり話は出来ませんが、相変らず気さくで面白い。
さて、中に入ってみましょう。
日の光も見事に使いこなしています。葬祭殿の中は幻想的。
イシス神とセティ1世。イシスは左手でセティの後頭部を触って、セティは女神の右腕を握っています。なんかとっても親密な感じです。
これはセクメト神とセティ1世。他の神殿でも手をつないでいるレリーフは多いのですが、この葬祭殿のレリーフは他のよりも親密感が伝わってくるんですね。
レリーフの様式がかなり違うんですね。一般的な古代エジプトの様式にも、アマルナ美術様式にも、そしてグレコローマン様式にも当てはまらない、この第19王朝(ラムセス朝)の様式には感銘を受けました。
このレリーフなんかよーく見てください。
小指でラー神のシンボルのコブラにちょっかいを出してるんですよ。
更に、これはエロい。
女神(イシス神かハトホル神だと思うんですけど)から授乳を受けるセティ。
あごなんかなでられちゃってるし。
レリーフも見事ですが、ヒエログリフも見事。
セティ1世と神々の交流も興味を惹かれましたが、なんと言ってもセティ1世と息子、後のラムセス2世の仲睦まじい関係が偲ばれるのです。
このレリーフは息子ラムセスを神々に紹介しているセティ1世。
そうそう、このアビドスのセティ1世葬祭殿でもっとも有名なレリーフは「王名表」なんです。セティ1世が息子ラムセスに先王たちの功績を伝えているのでしょうか。
楕円形のヒエログリフ(カルトゥーシュ)の中に歴代ファラオ一人一人の名が刻まれているんです。
親子一緒で狩をしている図。本当に楽しそう。
神に捧げ物をしている親子。
定説によると、セティ1世の葬祭殿は彼の生前に完成せず、息子のラムセス2世の時代に完成されたそうです。
それだからか、なんか親子2人が刻まれているレリーフを見ていると、本当にラムセスはお父さんセティのことが大好きだったんだろうなぁ、って感じるんです。
大好きなお父さんとの思い出がここに詰まってるんです。
大好きなお父さんの為に立派な葬祭殿を、神々との親交を描いたレリーフを、古代エジプト最高峰とも言われる美術様式を完成させたのです。
ここで、「なるほど」、と思ったのです。カイロ博物館の「王族ミイラ室」でお会いしましたが、セティ1世のミイラはとてもキレイな顔をしてるんです。恐らく世界で最も美しいミイラでしょう。なんで、ここまでセティ1世のミイラがキレイに保存できたか、と言えば息子ラムセス2世がこだわったのではないでしょうか。
大好きなお父さんの顔をなるべく生前と同じままで永久に残したい。
ラムセス2世の監督があったからこそ、葬祭殿も王家の谷にある墓も、そしてミイラも類稀な出来になったのではないでしょうか。
建築好きだったラムセス2世の葬祭殿は殆ど崩壊してしまっていることを考えると、あながちワシの空想は的外れではないような気がします。
さて、葬祭殿から外に出ると、そこには古代エジプトの遺構の中でも最も謎に包まれている「オシレイオン」があります。
エジプト学者はセティ1世葬祭殿に付随しているので、セティ1世によって建造された、と断定してます。
が、しかし、葬祭殿の基盤とオシレイオンの基盤ではかなりの高低差があります(上の写真をご参照ください)。なので、もっと以前からここに存在したのではないか? セティ1世は建造ではなく改修をしただけではないのか?、と思いたくなります。
葬祭殿と比べると、使用されている石ブロックの大きさが全然違いますし、様式も違うようです。
葬祭殿に面した壁以外にオシレイオンには全く装飾がありません。古代エジプトの建造物は数例(ギザの三大ピラミッドとスフィンクス神殿と河岸神殿)を除いては全てヒエログリフやレリーフなどの装飾で飾られています。
こんなに巨大な一本石が使われているんです。何故でしょう?
これにはヒツジもビックリ。
水が主題で、ナイル川の水との係わりは間違いないのでしょうが、誰が何の目的の為に造ったか、実際のところは分っていないのではないでしょうか。
本当に古代エジプトには興味がつきません。
残念ながらここまで来て、ラムセス2世の葬祭殿を見学する時間が無くなってしまいました。
外に出て、アリーの車に向かおうとすると、アラディンさんも丁度外に向かうところでした。「お客は写真撮影をしているから、お茶でも飲むんだけど、一緒にお茶でも飲まない?」、とアラディンさん。
なので、お茶屋でチャイと朝ごはんを。
そして、今度はデンデラのハトホル神殿へ向かいます。
続く・・・(続きはこちらから)
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ワシの幻想かも知れませんが、セティ1世とラムセス2世の親子愛には目頭が熱くなるのを感じました。
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昨晩は2時ごろまでブログのアップをしていました。朝5時に迎えが来るので、4時半起き。寝不足じゃ。
オマールも起きてきてくれて、5時前から待っているというのに、ドライバーのアリは30分以上の遅刻。オマールは「エジプト時間だからねぇ。」、とちょっと済まなそうにしてました。
ルクソールから目指すアビドスまではかなりの距離で、夕方のバスに間に合うために朝早く出発したのです。遅れたことを済まないと思っているのか、アリーは飛ばすわ飛ばす。結構危険な追い越しもあるし、怖い。舗装状況はあんまりよくないし、減速させるためのデコボコが結構頻繁にあるので、ガッツンガッツンくるのでなかなか眠れない・・・。
8時過ぎにやっとこさ、アビドスに到着。
アビドスは、古代エジプトの神話に登場するオシリス神復活の地で、エジプト古王国時代にはすでに聖地であったそうです。アビドスには、エジプト新王国最盛期のファラオ、セティ1世、ラムセス2世の葬祭殿、そしてセティ1世の葬祭殿に付属した感じで存在する「謎」の遺跡「オシレイオン」遺跡があるんです。
アリーが「ここは1時間」というので、早速遺跡へ。
先ずはセティ1世の葬祭殿から行って見ましょう。
王家の谷のハトシェプスト女王葬祭殿と比べると外観は見劣りしますが、内装のレリーフが素晴らしいのです。
しかもなんか神々とファラオが仲睦まじい。神々がファラオの腕と肩を抱いてるんですよね。
葬祭殿の中に入ろうとしたら、見慣れた顔が。この間「王家の谷」ツアーでガイドをしてくれたアラディンさんです。「やぁ奇遇だね!」、と。お客さんを一人連れているのであんまり話は出来ませんが、相変らず気さくで面白い。
さて、中に入ってみましょう。
日の光も見事に使いこなしています。葬祭殿の中は幻想的。
イシス神とセティ1世。イシスは左手でセティの後頭部を触って、セティは女神の右腕を握っています。なんかとっても親密な感じです。
これはセクメト神とセティ1世。他の神殿でも手をつないでいるレリーフは多いのですが、この葬祭殿のレリーフは他のよりも親密感が伝わってくるんですね。
レリーフの様式がかなり違うんですね。一般的な古代エジプトの様式にも、アマルナ美術様式にも、そしてグレコローマン様式にも当てはまらない、この第19王朝(ラムセス朝)の様式には感銘を受けました。
このレリーフなんかよーく見てください。
小指でラー神のシンボルのコブラにちょっかいを出してるんですよ。
更に、これはエロい。
女神(イシス神かハトホル神だと思うんですけど)から授乳を受けるセティ。
あごなんかなでられちゃってるし。
レリーフも見事ですが、ヒエログリフも見事。
セティ1世と神々の交流も興味を惹かれましたが、なんと言ってもセティ1世と息子、後のラムセス2世の仲睦まじい関係が偲ばれるのです。
このレリーフは息子ラムセスを神々に紹介しているセティ1世。
そうそう、このアビドスのセティ1世葬祭殿でもっとも有名なレリーフは「王名表」なんです。セティ1世が息子ラムセスに先王たちの功績を伝えているのでしょうか。
楕円形のヒエログリフ(カルトゥーシュ)の中に歴代ファラオ一人一人の名が刻まれているんです。
親子一緒で狩をしている図。本当に楽しそう。
神に捧げ物をしている親子。
定説によると、セティ1世の葬祭殿は彼の生前に完成せず、息子のラムセス2世の時代に完成されたそうです。
それだからか、なんか親子2人が刻まれているレリーフを見ていると、本当にラムセスはお父さんセティのことが大好きだったんだろうなぁ、って感じるんです。
大好きなお父さんとの思い出がここに詰まってるんです。
大好きなお父さんの為に立派な葬祭殿を、神々との親交を描いたレリーフを、古代エジプト最高峰とも言われる美術様式を完成させたのです。
ここで、「なるほど」、と思ったのです。カイロ博物館の「王族ミイラ室」でお会いしましたが、セティ1世のミイラはとてもキレイな顔をしてるんです。恐らく世界で最も美しいミイラでしょう。なんで、ここまでセティ1世のミイラがキレイに保存できたか、と言えば息子ラムセス2世がこだわったのではないでしょうか。
大好きなお父さんの顔をなるべく生前と同じままで永久に残したい。
ラムセス2世の監督があったからこそ、葬祭殿も王家の谷にある墓も、そしてミイラも類稀な出来になったのではないでしょうか。
建築好きだったラムセス2世の葬祭殿は殆ど崩壊してしまっていることを考えると、あながちワシの空想は的外れではないような気がします。
さて、葬祭殿から外に出ると、そこには古代エジプトの遺構の中でも最も謎に包まれている「オシレイオン」があります。
エジプト学者はセティ1世葬祭殿に付随しているので、セティ1世によって建造された、と断定してます。
が、しかし、葬祭殿の基盤とオシレイオンの基盤ではかなりの高低差があります(上の写真をご参照ください)。なので、もっと以前からここに存在したのではないか? セティ1世は建造ではなく改修をしただけではないのか?、と思いたくなります。
葬祭殿と比べると、使用されている石ブロックの大きさが全然違いますし、様式も違うようです。
葬祭殿に面した壁以外にオシレイオンには全く装飾がありません。古代エジプトの建造物は数例(ギザの三大ピラミッドとスフィンクス神殿と河岸神殿)を除いては全てヒエログリフやレリーフなどの装飾で飾られています。
こんなに巨大な一本石が使われているんです。何故でしょう?
これにはヒツジもビックリ。
水が主題で、ナイル川の水との係わりは間違いないのでしょうが、誰が何の目的の為に造ったか、実際のところは分っていないのではないでしょうか。
本当に古代エジプトには興味がつきません。
残念ながらここまで来て、ラムセス2世の葬祭殿を見学する時間が無くなってしまいました。
外に出て、アリーの車に向かおうとすると、アラディンさんも丁度外に向かうところでした。「お客は写真撮影をしているから、お茶でも飲むんだけど、一緒にお茶でも飲まない?」、とアラディンさん。
なので、お茶屋でチャイと朝ごはんを。
そして、今度はデンデラのハトホル神殿へ向かいます。
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