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三郎とおやすみ羊のBMW R1200GSで世界一周の大冒険

   
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2009年Cape York Challenge その2 大転倒
Cape Yorkというダートライダーの聖地があると知ったのは、丁度15年前師匠とマックスとでブリスベンまで向かうワシにとって初めての長期ツーリングでのことだった。
当時は今と違ってインターネットは無いわ携帯電話も無いわで情報が限られていたし、Cape York自体の開発も全然ない状態だから当然今よりコンディションは更にラフ。そこを目指すことなんて全く思いもしなかった。
だが、Cape Yorkに挑戦した様々な英雄たちの話を聴いては興奮したものだ。
15年経ち、ライダーとしても成長し、世界一周を目指す自分としてCape Yorkに挑戦してみたくなった。また会社の有給休暇を利用して行って帰って来るにも丁度いい距離(往復7500キロくらい)なのもワシをCape Yorkへ駆り立てた。
っていってもずーっとオンしか走ったこと無いから、ダートは素人。今年の4月になってホンダXR250Rを購入してダート・トレーニング・コースに参加したり、LithgowやWataganなどのダートで練習を積んだ。
車にバイクを積んでケアンズまで行こうかとも考えたが、結局Suzuki DR650SEを購入し、シドニーから全行程バイクで往くことにした。そうそうDR650を “孫市”と命名(スズキだからね。わかる人にはわかるよね)。
残念なことにCape Yorkではタンマリ遭遇するであろう砂地の練習を出来なかった。6月から7月にかけて風邪でダウンし体力も衰えた状態で8月を迎えてしまった。はたして大丈夫か?

Day 6
19/AUG/2009 Cairns to Musgrave
ODO Meter 12,223.6km
6:45am Cairns出発 / 給油 146.9km / 9.98L
8:00am Mareeba 63.6km / 2.97L
9:00 Mt Carbine 68.9km / 2.77L
10:30 Lakeland 113.6km / 5.90L
12:30 Laura 59.7km / 2.89L
3:00pm Hann River 76.5km / 3.15L (これがかわいい姉ちゃんか?)
4:00pm Musgrave 61.7km / 3.15L
ODO Meter 12,669.8km (本日の走行距離446.2km)
平均燃費: 19.18km/L

6時45分にCairns Central YHAを出発。かの有名なキュランダを越えてコーヒーで有名なマリーバへ。キュランダまでのワインディングはなかなか楽しいが、新品のオフロードタイヤのグリップ性能や荷物の不安定さで押さえ気味でコーナーを攻める。8時にマリーバ到着。給油しMiloバーを食べて更に北上する。Mt Carbineという小さな町で給油。ここら辺りから俄然蟻塚の数が増えてきた。

Lakeland.jpgLakeland02.jpg10時半にとうとうCape Yorkの入り口Lakelandに到着。給油し菓子パンを食べてエネルギー補給しダートに備える。サイドミラーを外そうかと思ったけど、そのまま付けていくことに。さぁ、行くぞ!

Lakelandを出てすぐに赤いダート道に変わる。「うぉおおー、とうとう来たぜー!」って興奮したらすぐに舗装路が現れる。あれ?こんなもんなのかCape York?それからダートと舗装路が交互に暫く続く。Lauraまですでに10キロを切ってもそんな感じ。だーともフラットダートで全然100キロ以上で飛ばせるし、なんか拍子抜けで緊張感も緩まっていく。ケアンズのInformationで「Cape Yorkではゆっくりいけ、飛ばしすぎるな」とアドバイスを受けたけどすっかり忘れてしまった。Lauraまで6キロ位のところでダートに切換る。なんとなく今までとは様子が違うので、「おっ、とうとう来たか!」
でもスピードは100キロのままだったんだよね・・・。
時間は11時半、このまま行けば今日の目的地Musgraveより奥地に進めるななんて甘い考えをしながら走ってた。
舗装路からダートに切換った瞬間、ちょっと深い砂地があってハンドルを取られた!バイクが左右に大きく揺れる。なんとかホールドしようとするが既に修正不可能で100km/hの大転倒!「ガッシャン!ゴ、ゴゴゴゴっ!!!!」、砂モクモクモク・・・。やっちまったよ、初日から、結構な大コケ。
ゆっくりと立ち上がり、バイクに歩み寄る。あらら、さっきまでの勢いはどこいった。幸運にも車が通りかかって、止まってくれた。バイクを起こすのを手伝ってもらって、あとはダメージアセスメント。フロントは傷だらけ。リアの右ウインカー、左サイドミラー破損。リアのキャリアバッグを止めてあったたいラップが全部切れてブランブラン。まぁ、あのスピードで転倒した割にはダメージは少ないな。
ダメージを確認してる最中に、Weipaでウミガメを調査しているケアンズ在住のPaulが止まってくれた。Paulもバイク乗りでいろいろ親身になってくれた。
「じゃぁ、エンジン掛けてみるか」とニュートラルを探すけどなかなか見つからない。Paulとバイクを押したりしてなんとかニュートラルに入る。おもむろにセルを押すと、全くの無反応。ライトも付いてるし電気系統は死んでないんだけど、全くの無反応。時刻は12時近くでCape Yorkの陽射しは冬場とはいえかなり厳しい。気温は30度を越す。
でもここで慌ててはいけません。おそらく砂がキルスイッチにたまってスイッチがオフの状態になっているんだうと見当をつける。
キルスイッチを分解して砂を取り払ってもう一度セルを押す。でもまだ無反応。ムムムム、これはヒューズか?とヒューズをチェックするが切れていない。もう一度キルスイッチを分解して、PaulのWD40をプシュー。紙でキレイに拭いて、もう一度セルを押す!キュルキュル、ブォン!やったぁー、かかったー。
有難うPaul。君がいなかったら、炎天日の中もっと苦労したことだろう。でも1時間くらいの時間と体力をこここで消費する。荷物を積み直して、Lauraへ向けて再出発。だがこのまま無事にはすまなかったのだ。

Laura01.jpgLaura02.jpgコケた後はビビってもう速く走れない。ゆっくりゆっくり走って(60キロくらいで)Lauraへ到着。 LauraのService Stationで給油後フロントタイヤとリムの間に詰まった小石を取り除く。エアープレッシャーを下げて、ドライバーでぐりぐりと取り除く。タイヤにエアーを入れて、あそうだ、ワシ自身にも給油をしないとね。ハムとトマトのホットサンドをホオバリ、自分のダメージアセスメント。
ヘルメットのヒサシが割れ、口元のベンチレーションも半分取れかかり、結構傷が入ってる。顔面もかなり強打したってことだな。

さっきまで興奮してて気づかなかったが、右肩とアバラが痛む。首も痛いし、右内腿も痛い。バイクも良く見るとフォークがねじれているみたいで、タイヤが車体の線と真っ直ぐじゃない。フロンとマッドガードも変に曲がってるし・・・。柱にタイヤを当てて思いっきりハンドルを切って真っ直ぐにしようとするが、全然ダメ。けってもダメ。うーん、フォークはトリプルクランプを緩めて元に戻せば良いけど、マッドガードとかは買い替えかな?ヘッドライトも曲がってるし・・・。

メシを食って落ち着くと、痛みはますます激しくなってきた。今ならケアンズまで1日で戻れる。ほとんど舗装路だし、引き返すなら今だ。昼を少し周ったところだけど、Lauraで一泊してケアンズまで引き返すか・・・。初日で、しかも本格ダートに入る前にリタイヤなんて情けないぜ。炎天下の中Soloを飲みながら考える。

でも、まぁ、せっかくここまで来たんだから、とりあえず今日の目的地Musgraveまで行って一泊して考えることに。Musgraveからならケアンズまで一日で帰れる。明日の朝、身体の調子次第で先に進むか戻るか決めよう。さぁ、出発だ!

hanriverrh01.jpghanriverrh02.jpg3時にHann Riverに到着し給油。以前聞いていたかわいい姉ちゃんがいると聞いていたが、多分ここの娘だな。自分自身の写真はなかなか撮れないので、娘に撮ってもらった。
慎重に慎重に走行を重ね、4時にMusgraveに到着。Lakeland以降の集落はLauraはかろうじて村っていうところだが、後はService Station (Roadhouse)以外にはほぼ何も無い。そうそう、Lakelandを過ぎてからダートなんで、ガソリンはRoadhouseがある度に満タンにするようにしている。転倒してタンクに穴があくかも知らないしね。満タンにしておいたほうが安心だし、給油は休憩にもなるしね。ダートは相変わらずフラットダートだけどコルゲーションと砂・砂利がところどころあって転倒後のトラウマが支配しているワシにはエラくしんどかった。普段だったらたいしたこと無いんだけどねェ…。コケるとしばらく運転がへタッピになる。
それにしても蟻塚が半端なくあるしデカイ。一体どれだけのシロアリが生息してるんだ?蟻塚の色も回りの土を使って創っているから色々な色がある。赤っぽいのとか、白っぽいのとか、黒っぽいのとか。 
musgrave01.jpgmusgrave04.jpgmusgrave02.jpg

  





musgrave03.jpgmusgrave05.jpgMusgraveのキャンプ場でテントを張ってシャワーを浴びる。鏡を見ると顔からも血を流してるではないか・・・。右内腿も内出血してて大きなあざが出来そうな感じ。ここには四駆キャンパーと大型四駆でのツアー客(お年寄りが多い)がキャンプをしてる。独りきりで来てるのはワシだけだな。いろいろな人から挨拶をもらい、何人かの人とお話をする。ヤハリ一番上まで目指すべきだと考えがまとまってくる。
Service Stationでメシを注文し(チキンサンドイッチ)食い終わったら、明日に備えて速攻で就寝(8時!)。痛みがひどいのでパナドールを飲んで痛みを消さないと寝れなかった。またMusgraveは結構夜の冷え込みがキツカッタ。寝袋は持ってこなかったので、寝袋のライナーだけじゃ寒かった。Tシャツとかを重ね着して寝ようとするが痛みと寒さであまり深くは眠れない。そうこうしているうちに朝の6時を迎えて、起床することにする。
musgrave06.jpgmusgrave07.jpg







musgrave08.jpgmusgrave09.jpg

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プロフィール
HN:
三郎
性別:
男性
職業:
革命家
趣味:
バイク・旅
自己紹介:
オーストラリアに移住して16年。遠く南の大陸から母国日本を眺めてみて危機感を感じてはや16年。なにか出来ないものかと考えて考えて、ようやく自分で行動することに数年前に思い当たる。とりあえず自分が出来ることから始めよう!ってことで、革命軍M-26-Julioをシドニーで結成。
誰かが世の中変えるのを待ってるだけじゃなく、自分で社会に貢献できることから始めよう。
世界を旅しながら色々な人と出会い革命の輪を広げていきたい。
2010年からおやすみ羊とBMW R1200GSで世界一周中!

Hasta la victoria siempre, Patoria o Muerte!

現在の愛車:BMW R1200GS 「Esperanza de la Tora」(世界一周)、 SUZUKI DR650SE 「孫市」(オーストラリア一周)
過去の愛車:Buell XR12R Firebolt, Yamaha FZ1, Yamaha TRX850, 、HONDA XR250R, Suzuki XF650 Freewind, Yamaha XV250 Virago
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