三郎とおやすみ羊のBMW R1200GSで世界一周の大冒険
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Day 821: 2012年10月25日 Part II
Luxor - Egypt (Boomerang Hostel)
82,141km
アラディンさんに「デンデラで!!」と挨拶し、再びアリーの車に乗り込み、デンデラを目指します。近いのか、と思ったら、結構遠い。
途中ウトウトとし、目が覚めてもまだ到着しません。結局1時間以上走っていたのかな。
デンデラ神殿複合体にはいろんな神殿がありますが、メインはなんと言ってもエジプト1保存状態のいいといわれているハトホル神殿。ハトホルはホルスの妻にして愛と幸福の女神。
複合体にはいる正門は崩れかかっている、またこれが趣をかもし出してますね。
これがハトホル神殿。建造当時の屋根がしっかり残っているのです。
柱の上の部分に彫刻されているのがハトホル女神。顔は何故だか削り取られています。
そのレリーフ、天井壁画も素晴らしい。プトレマイオス朝時の建造です。
写真の真ん中の顔は比較的破壊を免れています。
屋根があるので、自然光が届きにくいため、下からの照明がレリーフを闇の中に浮かび上がらせています。
上に昇る階段があり、そこには光を取り入れる窓が太陽円盤が彫刻してあり、「光」も通路に向かって彫刻してあるのが面白い。
階段横の壁には神官団のレリーフが。階段の磨耗具合に注目。2000年以上にもわたって訪れた人々によって石の階段がここまで磨耗したんですね。
神殿の屋上まで登れます。神殿の一番高い部分は2003年以来閉鎖されています。これは観光客が転落死したためだとか。
屋上にもハトホルの顔が柱に彫刻されていますが、磨耗しているというよりも軽く破壊されているように見えるんですね。
レリーフにも槌かなんかで叩き潰した痕が残っていますし。
レリーフやヒエログリフを叩き壊すのはどの古代エジプトの神殿などに見られるのですが、誰がやったのか、どんあ目的でやったのかは、いろんな説があって統一されていません。後のファラオに破壊されたとか、ローマ時代以降のキリスト教徒に破壊されたとか、定説はあります。
しかしワシはエジプトの神官がある計画を持って特定のレリーフ(人物や神々)や名前、文字などを叩き潰して消している、とう説が一案有力なんじゃないか、と思っています。
神殿にも「生命」が通っていて、その生命サイクルが終了したときにレリーフなどを破壊することによってシンボル的にその「生命」を断ち切る、というわけです。
そうでないと、見事に残っているレリーフと破壊されているレリーフをどうやって破壊者は選別したのか説明がつきません。
ここでも「守衛」がいちいちウザイ。自由に見て周れるのですが、勝手に案内し出して、「バクシーシ」ですからね。なので、守衛が話しかけてきたり、近寄ってくると撃退するのに疲れてしまいます。
この神殿の面白いところは、空白のカルトゥーシュが結構あることなんです。削り取られたようには見えないので、意図的に名前を入れなかったのか。
ハトホルはオシリスとイシスの神話、そしてセトとホルスの戦いの神話で重要な役割を果たします。おそらく以下のレリーフ群はオシリスが弟セトに殺害されたあと、妻イシスの魔力により復活するまでの過程を描いている、と思います。
バラバラにされたオシリスの遺体をつなぎ合わせ(男根だけは魚に食べられて見つからなかったので、練り物で造りました・・・)、呪文を唱えて復活させているところ。
おそらくアヌビス神(オシリスとセトの妻であるネフティスの子供。冥界の案内人)がオシリスのミイラを作っているところ。
オシリスの偽男根に鳥に扮したイシスが留ろうとしているところ。
上の部分のレリーフはよく見ないとわからないのですが、鳥に扮したイシスと復活したオシリスが交わっているところ。これにより、ホルスが誕生するのです。
下に戻るとアラディンさんもお客さんと来ていました。ちょっとだけ挨拶して、アラディンさんは仕事に戻ります。彼はガイドのプロとしてちゃんと仕事しています。
外に出ようとすると、神殿で入り口近くの守衛が「地下室のアラバスター像をみたか。クレオパトラに・・・」とまた付きまとってきます。「あ、そうだデンデラには地下室があって、電球に見えるレリーフがあるんだったけ? それとも違う神殿かな?」、なんて思ったのですが、守衛がウザイので外へでました。
外のレリーフもまた見事。
面白いのもあります。
見事な神殿ですね。
が、しかし、先ほどの守衛が着いて来ます・・・。本当にウザイ。
これがクレオパトラ7世(かの有名なクレオパトラです)と彼女とユリウス・カエサルの子プトレマイオス15世(カエサリオン)のレリーフ。
ここでも先ほどの守衛が「クレオパトラ!」など自慢げに説明してくる始末。見リャぁ、わかるよ。
こんなに素晴らしい神殿を見学できる幸せな気分を台無しにしてくれる、守衛・・・。写真の右下端に写っているのが「奴」です。
ヒエログリフも見事。
本当に、素晴らしい遺産を相続しておきながら、それを活かしきれていないですね。もしバクシーシ(チップ)が欲しいなら、ワシらが気が付かないこと、見逃してしまうものを教えてくれるとか(それも仕事のうちだと思うのですが)、ちょっと努力をするべきですね。「ワオ!」って言わされたら、自然にチップをあげたくなる、っていうもんです。
ちょっとウンザリ気味に神殿を後にします・・・。
神殿複合体の入り口脇には「ベス神」がいました。こいつは面白い姿でキモ可愛いくて好きです。
アリーの車に乗り、一路ルクソールを目指します。相変らず運転が荒い・・・。プロとして駄目でしょう、我々の安全を考えないと。
2時半にはルクソールに到着。宿のオマールはしっかりワシらのダハブ行きのバス・チケットを買っておいてくれました。
4時半までブログのアップをして、オマールやケンさんに別れを告げてつボイ先生とワシはバス乗り場へ向かいました。
が、しかし、「ダハブ行きのバスは故障してキャンセル!。」、と!!
しっかり返金してもらい、宿に戻るワシら。オマールもケンさんもワシ等が帰ってきたことを喜んでくれました。
こうなればダハブ行きは止めにして、ケンさんもカイロに明日飛ぶので、ワシらも明日夜行列車でカイロに向かいましょう。
夕方、飯を食いに街に出ると、明日はイスラム教最大級の祭事「犠牲祭」なので、屠られ行く羊たちが街のそこかしこにつながれていました。ちょっと切ない気分になりましたが、まぁ、これも仕方のないことです。羊たちも食肉となるために育てられてきたんですから、ね。
なので夕飯は羊肉の煮込みをありがたく頂きました!!! ご馳走様です。
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
ダハブで恋に落ちる計画は無くなってしまいましたが、まぁ、これも運命。きっと面白いことが我々の前に待ってるはずですね。
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82,141km
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途中ウトウトとし、目が覚めてもまだ到着しません。結局1時間以上走っていたのかな。
デンデラ神殿複合体にはいろんな神殿がありますが、メインはなんと言ってもエジプト1保存状態のいいといわれているハトホル神殿。ハトホルはホルスの妻にして愛と幸福の女神。
複合体にはいる正門は崩れかかっている、またこれが趣をかもし出してますね。
これがハトホル神殿。建造当時の屋根がしっかり残っているのです。
柱の上の部分に彫刻されているのがハトホル女神。顔は何故だか削り取られています。
そのレリーフ、天井壁画も素晴らしい。プトレマイオス朝時の建造です。
写真の真ん中の顔は比較的破壊を免れています。
屋根があるので、自然光が届きにくいため、下からの照明がレリーフを闇の中に浮かび上がらせています。
上に昇る階段があり、そこには光を取り入れる窓が太陽円盤が彫刻してあり、「光」も通路に向かって彫刻してあるのが面白い。
階段横の壁には神官団のレリーフが。階段の磨耗具合に注目。2000年以上にもわたって訪れた人々によって石の階段がここまで磨耗したんですね。
神殿の屋上まで登れます。神殿の一番高い部分は2003年以来閉鎖されています。これは観光客が転落死したためだとか。
屋上にもハトホルの顔が柱に彫刻されていますが、磨耗しているというよりも軽く破壊されているように見えるんですね。
レリーフにも槌かなんかで叩き潰した痕が残っていますし。
レリーフやヒエログリフを叩き壊すのはどの古代エジプトの神殿などに見られるのですが、誰がやったのか、どんあ目的でやったのかは、いろんな説があって統一されていません。後のファラオに破壊されたとか、ローマ時代以降のキリスト教徒に破壊されたとか、定説はあります。
しかしワシはエジプトの神官がある計画を持って特定のレリーフ(人物や神々)や名前、文字などを叩き潰して消している、とう説が一案有力なんじゃないか、と思っています。
神殿にも「生命」が通っていて、その生命サイクルが終了したときにレリーフなどを破壊することによってシンボル的にその「生命」を断ち切る、というわけです。
そうでないと、見事に残っているレリーフと破壊されているレリーフをどうやって破壊者は選別したのか説明がつきません。
ここでも「守衛」がいちいちウザイ。自由に見て周れるのですが、勝手に案内し出して、「バクシーシ」ですからね。なので、守衛が話しかけてきたり、近寄ってくると撃退するのに疲れてしまいます。
この神殿の面白いところは、空白のカルトゥーシュが結構あることなんです。削り取られたようには見えないので、意図的に名前を入れなかったのか。
ハトホルはオシリスとイシスの神話、そしてセトとホルスの戦いの神話で重要な役割を果たします。おそらく以下のレリーフ群はオシリスが弟セトに殺害されたあと、妻イシスの魔力により復活するまでの過程を描いている、と思います。
バラバラにされたオシリスの遺体をつなぎ合わせ(男根だけは魚に食べられて見つからなかったので、練り物で造りました・・・)、呪文を唱えて復活させているところ。
おそらくアヌビス神(オシリスとセトの妻であるネフティスの子供。冥界の案内人)がオシリスのミイラを作っているところ。
オシリスの偽男根に鳥に扮したイシスが留ろうとしているところ。
上の部分のレリーフはよく見ないとわからないのですが、鳥に扮したイシスと復活したオシリスが交わっているところ。これにより、ホルスが誕生するのです。
下に戻るとアラディンさんもお客さんと来ていました。ちょっとだけ挨拶して、アラディンさんは仕事に戻ります。彼はガイドのプロとしてちゃんと仕事しています。
外に出ようとすると、神殿で入り口近くの守衛が「地下室のアラバスター像をみたか。クレオパトラに・・・」とまた付きまとってきます。「あ、そうだデンデラには地下室があって、電球に見えるレリーフがあるんだったけ? それとも違う神殿かな?」、なんて思ったのですが、守衛がウザイので外へでました。
外のレリーフもまた見事。
面白いのもあります。
見事な神殿ですね。
が、しかし、先ほどの守衛が着いて来ます・・・。本当にウザイ。
これがクレオパトラ7世(かの有名なクレオパトラです)と彼女とユリウス・カエサルの子プトレマイオス15世(カエサリオン)のレリーフ。
ここでも先ほどの守衛が「クレオパトラ!」など自慢げに説明してくる始末。見リャぁ、わかるよ。
こんなに素晴らしい神殿を見学できる幸せな気分を台無しにしてくれる、守衛・・・。写真の右下端に写っているのが「奴」です。
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本当に、素晴らしい遺産を相続しておきながら、それを活かしきれていないですね。もしバクシーシ(チップ)が欲しいなら、ワシらが気が付かないこと、見逃してしまうものを教えてくれるとか(それも仕事のうちだと思うのですが)、ちょっと努力をするべきですね。「ワオ!」って言わされたら、自然にチップをあげたくなる、っていうもんです。
ちょっとウンザリ気味に神殿を後にします・・・。
神殿複合体の入り口脇には「ベス神」がいました。こいつは面白い姿でキモ可愛いくて好きです。
アリーの車に乗り、一路ルクソールを目指します。相変らず運転が荒い・・・。プロとして駄目でしょう、我々の安全を考えないと。
2時半にはルクソールに到着。宿のオマールはしっかりワシらのダハブ行きのバス・チケットを買っておいてくれました。
4時半までブログのアップをして、オマールやケンさんに別れを告げてつボイ先生とワシはバス乗り場へ向かいました。
が、しかし、「ダハブ行きのバスは故障してキャンセル!。」、と!!
しっかり返金してもらい、宿に戻るワシら。オマールもケンさんもワシ等が帰ってきたことを喜んでくれました。
こうなればダハブ行きは止めにして、ケンさんもカイロに明日飛ぶので、ワシらも明日夜行列車でカイロに向かいましょう。
夕方、飯を食いに街に出ると、明日はイスラム教最大級の祭事「犠牲祭」なので、屠られ行く羊たちが街のそこかしこにつながれていました。ちょっと切ない気分になりましたが、まぁ、これも仕方のないことです。羊たちも食肉となるために育てられてきたんですから、ね。
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Day 821: 2012年10月25日
Luxor - Egypt (Boomerang Hostel)
82,141km
昨晩は2時ごろまでブログのアップをしていました。朝5時に迎えが来るので、4時半起き。寝不足じゃ。
オマールも起きてきてくれて、5時前から待っているというのに、ドライバーのアリは30分以上の遅刻。オマールは「エジプト時間だからねぇ。」、とちょっと済まなそうにしてました。
ルクソールから目指すアビドスまではかなりの距離で、夕方のバスに間に合うために朝早く出発したのです。遅れたことを済まないと思っているのか、アリーは飛ばすわ飛ばす。結構危険な追い越しもあるし、怖い。舗装状況はあんまりよくないし、減速させるためのデコボコが結構頻繁にあるので、ガッツンガッツンくるのでなかなか眠れない・・・。
8時過ぎにやっとこさ、アビドスに到着。
アビドスは、古代エジプトの神話に登場するオシリス神復活の地で、エジプト古王国時代にはすでに聖地であったそうです。アビドスには、エジプト新王国最盛期のファラオ、セティ1世、ラムセス2世の葬祭殿、そしてセティ1世の葬祭殿に付属した感じで存在する「謎」の遺跡「オシレイオン」遺跡があるんです。
アリーが「ここは1時間」というので、早速遺跡へ。
先ずはセティ1世の葬祭殿から行って見ましょう。
王家の谷のハトシェプスト女王葬祭殿と比べると外観は見劣りしますが、内装のレリーフが素晴らしいのです。
しかもなんか神々とファラオが仲睦まじい。神々がファラオの腕と肩を抱いてるんですよね。
葬祭殿の中に入ろうとしたら、見慣れた顔が。この間「王家の谷」ツアーでガイドをしてくれたアラディンさんです。「やぁ奇遇だね!」、と。お客さんを一人連れているのであんまり話は出来ませんが、相変らず気さくで面白い。
さて、中に入ってみましょう。
日の光も見事に使いこなしています。葬祭殿の中は幻想的。
イシス神とセティ1世。イシスは左手でセティの後頭部を触って、セティは女神の右腕を握っています。なんかとっても親密な感じです。
これはセクメト神とセティ1世。他の神殿でも手をつないでいるレリーフは多いのですが、この葬祭殿のレリーフは他のよりも親密感が伝わってくるんですね。
レリーフの様式がかなり違うんですね。一般的な古代エジプトの様式にも、アマルナ美術様式にも、そしてグレコローマン様式にも当てはまらない、この第19王朝(ラムセス朝)の様式には感銘を受けました。
このレリーフなんかよーく見てください。
小指でラー神のシンボルのコブラにちょっかいを出してるんですよ。
更に、これはエロい。
女神(イシス神かハトホル神だと思うんですけど)から授乳を受けるセティ。
あごなんかなでられちゃってるし。
レリーフも見事ですが、ヒエログリフも見事。
セティ1世と神々の交流も興味を惹かれましたが、なんと言ってもセティ1世と息子、後のラムセス2世の仲睦まじい関係が偲ばれるのです。
このレリーフは息子ラムセスを神々に紹介しているセティ1世。
そうそう、このアビドスのセティ1世葬祭殿でもっとも有名なレリーフは「王名表」なんです。セティ1世が息子ラムセスに先王たちの功績を伝えているのでしょうか。
楕円形のヒエログリフ(カルトゥーシュ)の中に歴代ファラオ一人一人の名が刻まれているんです。
親子一緒で狩をしている図。本当に楽しそう。
神に捧げ物をしている親子。
定説によると、セティ1世の葬祭殿は彼の生前に完成せず、息子のラムセス2世の時代に完成されたそうです。
それだからか、なんか親子2人が刻まれているレリーフを見ていると、本当にラムセスはお父さんセティのことが大好きだったんだろうなぁ、って感じるんです。
大好きなお父さんとの思い出がここに詰まってるんです。
大好きなお父さんの為に立派な葬祭殿を、神々との親交を描いたレリーフを、古代エジプト最高峰とも言われる美術様式を完成させたのです。
ここで、「なるほど」、と思ったのです。カイロ博物館の「王族ミイラ室」でお会いしましたが、セティ1世のミイラはとてもキレイな顔をしてるんです。恐らく世界で最も美しいミイラでしょう。なんで、ここまでセティ1世のミイラがキレイに保存できたか、と言えば息子ラムセス2世がこだわったのではないでしょうか。
大好きなお父さんの顔をなるべく生前と同じままで永久に残したい。
ラムセス2世の監督があったからこそ、葬祭殿も王家の谷にある墓も、そしてミイラも類稀な出来になったのではないでしょうか。
建築好きだったラムセス2世の葬祭殿は殆ど崩壊してしまっていることを考えると、あながちワシの空想は的外れではないような気がします。
さて、葬祭殿から外に出ると、そこには古代エジプトの遺構の中でも最も謎に包まれている「オシレイオン」があります。
エジプト学者はセティ1世葬祭殿に付随しているので、セティ1世によって建造された、と断定してます。
が、しかし、葬祭殿の基盤とオシレイオンの基盤ではかなりの高低差があります(上の写真をご参照ください)。なので、もっと以前からここに存在したのではないか? セティ1世は建造ではなく改修をしただけではないのか?、と思いたくなります。
葬祭殿と比べると、使用されている石ブロックの大きさが全然違いますし、様式も違うようです。
葬祭殿に面した壁以外にオシレイオンには全く装飾がありません。古代エジプトの建造物は数例(ギザの三大ピラミッドとスフィンクス神殿と河岸神殿)を除いては全てヒエログリフやレリーフなどの装飾で飾られています。
こんなに巨大な一本石が使われているんです。何故でしょう?
これにはヒツジもビックリ。
水が主題で、ナイル川の水との係わりは間違いないのでしょうが、誰が何の目的の為に造ったか、実際のところは分っていないのではないでしょうか。
本当に古代エジプトには興味がつきません。
残念ながらここまで来て、ラムセス2世の葬祭殿を見学する時間が無くなってしまいました。
外に出て、アリーの車に向かおうとすると、アラディンさんも丁度外に向かうところでした。「お客は写真撮影をしているから、お茶でも飲むんだけど、一緒にお茶でも飲まない?」、とアラディンさん。
なので、お茶屋でチャイと朝ごはんを。
そして、今度はデンデラのハトホル神殿へ向かいます。
続く・・・(続きはこちらから)
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
ワシの幻想かも知れませんが、セティ1世とラムセス2世の親子愛には目頭が熱くなるのを感じました。
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82,141km
昨晩は2時ごろまでブログのアップをしていました。朝5時に迎えが来るので、4時半起き。寝不足じゃ。
オマールも起きてきてくれて、5時前から待っているというのに、ドライバーのアリは30分以上の遅刻。オマールは「エジプト時間だからねぇ。」、とちょっと済まなそうにしてました。
ルクソールから目指すアビドスまではかなりの距離で、夕方のバスに間に合うために朝早く出発したのです。遅れたことを済まないと思っているのか、アリーは飛ばすわ飛ばす。結構危険な追い越しもあるし、怖い。舗装状況はあんまりよくないし、減速させるためのデコボコが結構頻繁にあるので、ガッツンガッツンくるのでなかなか眠れない・・・。
8時過ぎにやっとこさ、アビドスに到着。
アビドスは、古代エジプトの神話に登場するオシリス神復活の地で、エジプト古王国時代にはすでに聖地であったそうです。アビドスには、エジプト新王国最盛期のファラオ、セティ1世、ラムセス2世の葬祭殿、そしてセティ1世の葬祭殿に付属した感じで存在する「謎」の遺跡「オシレイオン」遺跡があるんです。
アリーが「ここは1時間」というので、早速遺跡へ。
先ずはセティ1世の葬祭殿から行って見ましょう。
王家の谷のハトシェプスト女王葬祭殿と比べると外観は見劣りしますが、内装のレリーフが素晴らしいのです。
しかもなんか神々とファラオが仲睦まじい。神々がファラオの腕と肩を抱いてるんですよね。
葬祭殿の中に入ろうとしたら、見慣れた顔が。この間「王家の谷」ツアーでガイドをしてくれたアラディンさんです。「やぁ奇遇だね!」、と。お客さんを一人連れているのであんまり話は出来ませんが、相変らず気さくで面白い。
さて、中に入ってみましょう。
日の光も見事に使いこなしています。葬祭殿の中は幻想的。
イシス神とセティ1世。イシスは左手でセティの後頭部を触って、セティは女神の右腕を握っています。なんかとっても親密な感じです。
これはセクメト神とセティ1世。他の神殿でも手をつないでいるレリーフは多いのですが、この葬祭殿のレリーフは他のよりも親密感が伝わってくるんですね。
レリーフの様式がかなり違うんですね。一般的な古代エジプトの様式にも、アマルナ美術様式にも、そしてグレコローマン様式にも当てはまらない、この第19王朝(ラムセス朝)の様式には感銘を受けました。
このレリーフなんかよーく見てください。
小指でラー神のシンボルのコブラにちょっかいを出してるんですよ。
更に、これはエロい。
女神(イシス神かハトホル神だと思うんですけど)から授乳を受けるセティ。
あごなんかなでられちゃってるし。
レリーフも見事ですが、ヒエログリフも見事。
セティ1世と神々の交流も興味を惹かれましたが、なんと言ってもセティ1世と息子、後のラムセス2世の仲睦まじい関係が偲ばれるのです。
このレリーフは息子ラムセスを神々に紹介しているセティ1世。
そうそう、このアビドスのセティ1世葬祭殿でもっとも有名なレリーフは「王名表」なんです。セティ1世が息子ラムセスに先王たちの功績を伝えているのでしょうか。
楕円形のヒエログリフ(カルトゥーシュ)の中に歴代ファラオ一人一人の名が刻まれているんです。
親子一緒で狩をしている図。本当に楽しそう。
神に捧げ物をしている親子。
定説によると、セティ1世の葬祭殿は彼の生前に完成せず、息子のラムセス2世の時代に完成されたそうです。
それだからか、なんか親子2人が刻まれているレリーフを見ていると、本当にラムセスはお父さんセティのことが大好きだったんだろうなぁ、って感じるんです。
大好きなお父さんとの思い出がここに詰まってるんです。
大好きなお父さんの為に立派な葬祭殿を、神々との親交を描いたレリーフを、古代エジプト最高峰とも言われる美術様式を完成させたのです。
ここで、「なるほど」、と思ったのです。カイロ博物館の「王族ミイラ室」でお会いしましたが、セティ1世のミイラはとてもキレイな顔をしてるんです。恐らく世界で最も美しいミイラでしょう。なんで、ここまでセティ1世のミイラがキレイに保存できたか、と言えば息子ラムセス2世がこだわったのではないでしょうか。
大好きなお父さんの顔をなるべく生前と同じままで永久に残したい。
ラムセス2世の監督があったからこそ、葬祭殿も王家の谷にある墓も、そしてミイラも類稀な出来になったのではないでしょうか。
建築好きだったラムセス2世の葬祭殿は殆ど崩壊してしまっていることを考えると、あながちワシの空想は的外れではないような気がします。
さて、葬祭殿から外に出ると、そこには古代エジプトの遺構の中でも最も謎に包まれている「オシレイオン」があります。
エジプト学者はセティ1世葬祭殿に付随しているので、セティ1世によって建造された、と断定してます。
が、しかし、葬祭殿の基盤とオシレイオンの基盤ではかなりの高低差があります(上の写真をご参照ください)。なので、もっと以前からここに存在したのではないか? セティ1世は建造ではなく改修をしただけではないのか?、と思いたくなります。
葬祭殿と比べると、使用されている石ブロックの大きさが全然違いますし、様式も違うようです。
葬祭殿に面した壁以外にオシレイオンには全く装飾がありません。古代エジプトの建造物は数例(ギザの三大ピラミッドとスフィンクス神殿と河岸神殿)を除いては全てヒエログリフやレリーフなどの装飾で飾られています。
こんなに巨大な一本石が使われているんです。何故でしょう?
これにはヒツジもビックリ。
水が主題で、ナイル川の水との係わりは間違いないのでしょうが、誰が何の目的の為に造ったか、実際のところは分っていないのではないでしょうか。
本当に古代エジプトには興味がつきません。
残念ながらここまで来て、ラムセス2世の葬祭殿を見学する時間が無くなってしまいました。
外に出て、アリーの車に向かおうとすると、アラディンさんも丁度外に向かうところでした。「お客は写真撮影をしているから、お茶でも飲むんだけど、一緒にお茶でも飲まない?」、とアラディンさん。
なので、お茶屋でチャイと朝ごはんを。
そして、今度はデンデラのハトホル神殿へ向かいます。
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Day 820: 2012年10月24日
Luxor - Egypt (Boomerang Hostel)
82,141km
朝早く起きて、アビドスとデンデラ神殿を訪ねる、という計画もありましたが、「まぁ、今日はゆっくりしよう。」、ということになり、9時半ごろ船を後にします。
船はルクソールの東岸と西岸を結ぶ橋の近くに停泊したので、街へは9-10キロの道のり。
炎天下の中を男三人歩きます。
時たまタクシーや荷台を牽いたバイクが声を掛けてきて、「乗らないか?」と。断ると、バイクなどは「無料だよ!」、と言ってくるんですが、「でもバクシーシ(喜捨のこと。チップみたいなもの)ははずんでね!」、と来たもんだ。
「いいんだ、俺らは歩くのがすきなんだ。」、と言っても結構しつこく付きまとってきます。
やっと撃退したかと思うと、子供たちが「ハロー」と手を振ってきます。
可愛い、っと思うでしょう?
いえ、全然可愛くないんです。「ハロー」の後に、「マニー(お金)」と必ず言ってくるんです。「ハロー、マニー」と。
ワシらはお金にしか見えないのか!?
子供たちがいなくなると、また「乗らないか?」と来たり。本当にもう放っておいて・・・。
キューバのときもそうでしたけど(こちらから)、友達と会話を楽しんでいるところを、押し売りみたいに来て付きまとうのは本当に止めて欲しい。
本当に親切なエジプト人と会ったときに疑ってしまいそうな自分が嫌になる。
まぁ、2時間ぐらい歩いて、ようやく「Boomerang Hostel」にブーメランの如く戻ってきたわけです。
アビドス、デンデラ神殿ツアーは車一台400ペソなので、もしナカタもいたら誘おうということに。
船であれだけ寝たのに、やはり朝2時間も炎天下の中歩いたせいでしょうか、眠気が襲ってきて、夕方まで昼寝。
ナカタも夕方には帰ってきて、歓談。ワシらがアスワンやアブ・シンベルに行っている間、ナカタはルクソールで散々な目に会ったそうです。
観光業者によるデモもあったそうで、ルクソール神殿前で警官隊に投石をしていたそうです。
残念ながら明日ナカタはアスワンに向かうので、アビドスとデンデラには我々日本男子三人組で行く事になりました。
つボイ先生とワシは夕方5時のバスでダハブに向かうので、それに間に合わすために、朝5時にドライバーが迎えに来るとのこと。
それにも係わらず、宿のオマールも含めて夜中まで歓談しているワシらでした。
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
ブーメラン・ホステルのスタッフやアスワンの「タカシ」はテキパキと我々の要望、いやそれ以上のサービスを提供してくれるのですが、どうも他の観光業者はそうではないようです・・・。あ、王家の谷のガイドのアラディンさんもよかったですね。
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82,141km
朝早く起きて、アビドスとデンデラ神殿を訪ねる、という計画もありましたが、「まぁ、今日はゆっくりしよう。」、ということになり、9時半ごろ船を後にします。
船はルクソールの東岸と西岸を結ぶ橋の近くに停泊したので、街へは9-10キロの道のり。
炎天下の中を男三人歩きます。
時たまタクシーや荷台を牽いたバイクが声を掛けてきて、「乗らないか?」と。断ると、バイクなどは「無料だよ!」、と言ってくるんですが、「でもバクシーシ(喜捨のこと。チップみたいなもの)ははずんでね!」、と来たもんだ。
「いいんだ、俺らは歩くのがすきなんだ。」、と言っても結構しつこく付きまとってきます。
やっと撃退したかと思うと、子供たちが「ハロー」と手を振ってきます。
可愛い、っと思うでしょう?
いえ、全然可愛くないんです。「ハロー」の後に、「マニー(お金)」と必ず言ってくるんです。「ハロー、マニー」と。
ワシらはお金にしか見えないのか!?
子供たちがいなくなると、また「乗らないか?」と来たり。本当にもう放っておいて・・・。
キューバのときもそうでしたけど(こちらから)、友達と会話を楽しんでいるところを、押し売りみたいに来て付きまとうのは本当に止めて欲しい。
本当に親切なエジプト人と会ったときに疑ってしまいそうな自分が嫌になる。
まぁ、2時間ぐらい歩いて、ようやく「Boomerang Hostel」にブーメランの如く戻ってきたわけです。
アビドス、デンデラ神殿ツアーは車一台400ペソなので、もしナカタもいたら誘おうということに。
船であれだけ寝たのに、やはり朝2時間も炎天下の中歩いたせいでしょうか、眠気が襲ってきて、夕方まで昼寝。
ナカタも夕方には帰ってきて、歓談。ワシらがアスワンやアブ・シンベルに行っている間、ナカタはルクソールで散々な目に会ったそうです。
観光業者によるデモもあったそうで、ルクソール神殿前で警官隊に投石をしていたそうです。
残念ながら明日ナカタはアスワンに向かうので、アビドスとデンデラには我々日本男子三人組で行く事になりました。
つボイ先生とワシは夕方5時のバスでダハブに向かうので、それに間に合わすために、朝5時にドライバーが迎えに来るとのこと。
それにも係わらず、宿のオマールも含めて夜中まで歓談しているワシらでした。
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ブーメラン・ホステルのスタッフやアスワンの「タカシ」はテキパキと我々の要望、いやそれ以上のサービスを提供してくれるのですが、どうも他の観光業者はそうではないようです・・・。あ、王家の谷のガイドのアラディンさんもよかったですね。
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Day 819: 2012年10月23日
Edfu to Luxor - Egypt (On a Cruise ship to Luxor)
82,141km
朝6時過ぎに起きたら、エドフに到着していました。ここはホルス神殿で有名なところ。モーニング・ティーをいただいて出かけます。
が、しかし、船着場から神殿までは歩くのはちょっと遠い。「馬車に乗ったほうがよろしいですよ。相場は送迎で40ポンドです。」、とレセプション。ちょうど一人旅のギリシア人ニックがいたので4人で馬車をシェアすることに。
で、早速馬丁たちと交渉。ニックが「ここは俺に任せとけ。」、とニヤっと笑って、馬丁と交渉を始めます。なんと往復で80ポンド、と吹っかけています。「それは、高い!! 40ポンド以上は払わん!!!」、とニックが一括。
まぁ、しばらくすったもんだしてましたが、結局40ポンドで交渉成立。だったら、最初っから40ポンドにしておけよ。そうすれば、こちらも気持ちよく出かけられるのに。
実際「アラブの春」以降観光客が激減して、彼らも必死なのはわかるんですけど、数少ない観光客から搾り取る、っていう考えは目先の利益に目が眩んで、ですね。
こういう情勢だからこそ、実際にエジプトを訪れている我々のレビューとかが多少なりとも他の観光客を呼び寄せることになるのですから。
パカパカと馬車に揺られていきます。馬丁がチップをくれ、とニックに言っているみたいですが、ニックは「バナナを買ってやるよ。」なんて言ってます。完全に馬鹿にしていますね。馬丁はバナナでは不満みたいで、チップ、チップとしつこいです。
街の風景。雑多な感じがいいですねぇ。
そして来ました、ホルス神殿。
フィラエ島のイシス神殿と同じくプトレマイオス朝時の建造なのでかなり残っています。
オシリスとイシスの子、天空神ホルス。そして現役のファラオはホルスで、死後オシリスになるのです。
いろいろ面白いレリーフもあります。右のホルスと左のファラオの間に千手観音みたいなレリーフがあるんです。
写真だとちょっと分り辛いですかね。
ホルスと言えば「隼」ですね。
だからでしょうか、やたらとこの神殿には鳥が多い!
正門の上にはラーの象徴が。
柱の装飾やレリーフも見事。オリジナルの屋根が残っているのは嬉しいですね。
レリーフもホルスが目白押し!
正門の上に通じる階段。神官団のレリーフ。
プトレマイオス朝のレリーフは以前の王朝時のレリーフと比べて、肉体の表現がより豊か。これはやはりギリシアの影響ですね。
このカルトゥーシュは「プトレマイオス」と書いてあると思います。何世かはワシではわからないですが。
空の青さも素晴らしい。神殿に映えます。
ホルス神殿、大規模なものではないですが、レリーフや建物自体の保存状況がいいので楽しめました。
帰りも馬車に揺られて、パカパカ。
40ポンドと小銭をチップで、と渡したら、馬丁は「10ポンドのチップをくれ」、と言ってきました。「お前40ポンドでいいって言ったろ! 行くぞ!!」とニック。流石アレクサンダー大王時にエジプトを征服しただけはありますね。名づけてニックドロス大王!!! まぁ、エドフ神殿も大王の家臣プトレマイオスの子孫が造ったものですからね。エジプト人は過去も現代もギリシア人には適わないものなんですかね。
ワシらも「チップは自分から請求するもんじゃぁ、ねぇ」と船に乗り込みました。
ここら辺は文化の違いなのかもしれませんが、1回売り手と買い手が金額で納得したら、後で多く請求したりするのは無しですよね。
船に乗り、ビュッフェスタイルの朝飯を食べて、甲板で歓談。
そしてちょっと面白いものを目にしたんです!!!
それは、
小船を客船に引っかけて曳航されながら、商売をする物売り!!
結構な速さで、曳航されているのにもかかわらず、小船の上に立ち、品物を見せては、ビニール袋に商品を入れて、甲板に投げ入れる、というなかなかの曲芸。
これには乗客が大喜び。商品も飛ぶように売れます。
これが、アイデアなんですね。
「観光客が来ない、商売上がったり」、とただぶータレている他の奴らとは違い、この兄弟は観光客に「ワオ!」を見せることで商売繁盛。
どうせ買うなら、いいアイデアを出して、リスクも犯して果敢に売り込んでくる彼らから買いたくなりますよね。
一時間以上商売をしていたでしょうか。船は速度を落とし、水門に近づきます。
そうすると、小船に乗った物売りたちがワラワラと客船に近寄ってきます。でも、前出の兄弟が既に殆どの客を取ってしまったので、売れ行きは芳しくない。
水門はかなり狭く、抜けるのには時間がかかります。物売りたちは安くしたりとそれなりに頑張りますが、殆ど売れずに船は水門を抜けてしまいました。
昼飯時などで、ビュッフェ式の昼飯を食べて昼寝。こりゃあ、太るわ。
起きたら、夕飯。デブまっしぐら。
明日はルクソール着です(実際夜の時点で到着してました)。朝飯を食べたら、ブーメラン・ホステルまで10キロくらい歩いていきます。
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何処へ行っても、観光地はすれた人がいるものですが、エジプトは今まで訪れたどの国よりも酷いですねぇ。これでは「また来よう」、って思わなくなってしまいます。
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Edfu to Luxor - Egypt (On a Cruise ship to Luxor)
82,141km
朝6時過ぎに起きたら、エドフに到着していました。ここはホルス神殿で有名なところ。モーニング・ティーをいただいて出かけます。
が、しかし、船着場から神殿までは歩くのはちょっと遠い。「馬車に乗ったほうがよろしいですよ。相場は送迎で40ポンドです。」、とレセプション。ちょうど一人旅のギリシア人ニックがいたので4人で馬車をシェアすることに。
で、早速馬丁たちと交渉。ニックが「ここは俺に任せとけ。」、とニヤっと笑って、馬丁と交渉を始めます。なんと往復で80ポンド、と吹っかけています。「それは、高い!! 40ポンド以上は払わん!!!」、とニックが一括。
まぁ、しばらくすったもんだしてましたが、結局40ポンドで交渉成立。だったら、最初っから40ポンドにしておけよ。そうすれば、こちらも気持ちよく出かけられるのに。
実際「アラブの春」以降観光客が激減して、彼らも必死なのはわかるんですけど、数少ない観光客から搾り取る、っていう考えは目先の利益に目が眩んで、ですね。
こういう情勢だからこそ、実際にエジプトを訪れている我々のレビューとかが多少なりとも他の観光客を呼び寄せることになるのですから。
パカパカと馬車に揺られていきます。馬丁がチップをくれ、とニックに言っているみたいですが、ニックは「バナナを買ってやるよ。」なんて言ってます。完全に馬鹿にしていますね。馬丁はバナナでは不満みたいで、チップ、チップとしつこいです。
街の風景。雑多な感じがいいですねぇ。
そして来ました、ホルス神殿。
フィラエ島のイシス神殿と同じくプトレマイオス朝時の建造なのでかなり残っています。
オシリスとイシスの子、天空神ホルス。そして現役のファラオはホルスで、死後オシリスになるのです。
いろいろ面白いレリーフもあります。右のホルスと左のファラオの間に千手観音みたいなレリーフがあるんです。
写真だとちょっと分り辛いですかね。
ホルスと言えば「隼」ですね。
だからでしょうか、やたらとこの神殿には鳥が多い!
正門の上にはラーの象徴が。
柱の装飾やレリーフも見事。オリジナルの屋根が残っているのは嬉しいですね。
レリーフもホルスが目白押し!
正門の上に通じる階段。神官団のレリーフ。
プトレマイオス朝のレリーフは以前の王朝時のレリーフと比べて、肉体の表現がより豊か。これはやはりギリシアの影響ですね。
このカルトゥーシュは「プトレマイオス」と書いてあると思います。何世かはワシではわからないですが。
空の青さも素晴らしい。神殿に映えます。
ホルス神殿、大規模なものではないですが、レリーフや建物自体の保存状況がいいので楽しめました。
帰りも馬車に揺られて、パカパカ。
40ポンドと小銭をチップで、と渡したら、馬丁は「10ポンドのチップをくれ」、と言ってきました。「お前40ポンドでいいって言ったろ! 行くぞ!!」とニック。流石アレクサンダー大王時にエジプトを征服しただけはありますね。名づけてニックドロス大王!!! まぁ、エドフ神殿も大王の家臣プトレマイオスの子孫が造ったものですからね。エジプト人は過去も現代もギリシア人には適わないものなんですかね。
ワシらも「チップは自分から請求するもんじゃぁ、ねぇ」と船に乗り込みました。
ここら辺は文化の違いなのかもしれませんが、1回売り手と買い手が金額で納得したら、後で多く請求したりするのは無しですよね。
船に乗り、ビュッフェスタイルの朝飯を食べて、甲板で歓談。
そしてちょっと面白いものを目にしたんです!!!
それは、
小船を客船に引っかけて曳航されながら、商売をする物売り!!
結構な速さで、曳航されているのにもかかわらず、小船の上に立ち、品物を見せては、ビニール袋に商品を入れて、甲板に投げ入れる、というなかなかの曲芸。
これには乗客が大喜び。商品も飛ぶように売れます。
これが、アイデアなんですね。
「観光客が来ない、商売上がったり」、とただぶータレている他の奴らとは違い、この兄弟は観光客に「ワオ!」を見せることで商売繁盛。
どうせ買うなら、いいアイデアを出して、リスクも犯して果敢に売り込んでくる彼らから買いたくなりますよね。
一時間以上商売をしていたでしょうか。船は速度を落とし、水門に近づきます。
そうすると、小船に乗った物売りたちがワラワラと客船に近寄ってきます。でも、前出の兄弟が既に殆どの客を取ってしまったので、売れ行きは芳しくない。
水門はかなり狭く、抜けるのには時間がかかります。物売りたちは安くしたりとそれなりに頑張りますが、殆ど売れずに船は水門を抜けてしまいました。
昼飯時などで、ビュッフェ式の昼飯を食べて昼寝。こりゃあ、太るわ。
起きたら、夕飯。デブまっしぐら。
明日はルクソール着です(実際夜の時点で到着してました)。朝飯を食べたら、ブーメラン・ホステルまで10キロくらい歩いていきます。
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Day 817: 2012年10月22日
Aswan to Edfu - Egypt (On a Cruise ship to Luxor)
82,141km
さて、無事にアブ・シンベル大神殿の至聖所に朝日が差し込むイベントを見る算段をつけまして(前の日の日記に追加しましたのでご覧ください!)、夜11時過ぎまで安眠していた我ら3人衆。
11時半ごろ「タカシ」が部屋に来て「出発だよ!」、と。迎えのミニ・バンに乗り込み、他のツアー参加者を拾いながら街外れの検問まで行きます。ここで軍警察の検問を受けて、AK47突撃銃を持った軍警察官がミニ・バンに乗り込み、警察隊の車両が先導する「コンボイ」を組んでアブシンベル神殿群まで行くのです。観光バスやミニ・バンが20台くらいでしょうか。
行程は4時間くらいなので、しばらくケンさんと話をしていましたが、多少の睡眠をとることに。結構運転が荒いので、時々目が覚めてしまいます。時速130キロくらいでコンボイ隊の中で追い越し競争をしてるんです・・・。ドライバーはひまわりの種をポリポリかじりながら「レース」を楽しんでます。おいおい。
ドライバーはずーっと、CDの(?)コーランの暗唱をかけているので、結構頭に残ってしまいます。
神殿入り口には4時ごろに到着。朝日は5時半過ぎなので1時間半くらい時間はあります。ドライバーは「6時半にここに戻って来て!!」と言っていますが、7本の指を立てながら「6時半」って言うんですね。なので、何回か「6時半か7時半か?」と確認しましたが、笑顔で7本の指を立てて「6時半!!」って言うだけなんです。と、いうことで、朝日が出てから1時間も見て周れない、ってことですね。
チケットは観光税などコミで95ポンド。結構高いです。
闇の中を歩いていくと見えてきました、アブ・シンベル大神殿!!!
デカイです。流石エジプトの英雄ラムセス2世の威信をかけて建造した神殿です。
神殿前まで来ると、係員が「急いで急いで、こっちこっち。はい、こっち側を歩いて」と誘導してきます。結構ぶっきら棒な感じでムカつきます。
で、神殿内に入るのですが、左側に通されて、そこには先着の観光客が待っています。「あれ、自由に見て周れないの!?」。
神殿内は写真撮影厳禁なので写真は一枚もありません・・・。
で、係員に「なんでここで待たされるんだ!?」と訊いたら、首を振るだけで応えてくれないのです。英語は理解できないのか!? しゃべっている英語はセリフか!?
ただ、「座れ、座れ」というだけで、どの位ここで待たされるのか、何でここで待たされるのか、この後どういう風に朝日を見れるのか、など一切説明無し。かなり不満が貯まります。
人間は自分の運命がどうなるかの情報を与えられない(牢獄や捕虜になったときに)のが一番精神的に苦痛を感じる、と聞いた事がありますが、当にそんな感じの苦痛ですね。
まぁ、気を直して、周りを見ると、見事なレリーフ。ラムセス2世のカデシュでの「戦勝」を讃えた壁画ですね。
神殿の造りも、曲線が無く、直線的で「男」ッぽい。第19王朝は軍人出身の王朝なので、武張ってる、というか男らしいのです。
それにしても、見事。
ここで待たせられるよりも、神殿を自由に歩き周りたい。
一体至聖所に朝日が差し込むのが見られるのか、それともこの場所で朝日の時間を迎えてしまうのか、さっぱりわかりません。とても不満な時間を過ごします。
「これだったら外で神殿が朝日に照らされるのを見たほうがよかった、ね」とケンさんと意見が一致。まぁ、つボイ先生は気にしてないようでしたけど。
だんだんと神殿内が明るくなってきます。朝日が昇りかけているんでしょうね。が、しかしワシらはまだまだ待機させられっぱなし。いい加減キレて外に出ようか、と思うくらいです。
柱が神殿中央とワシらが待機させられている場所の間にあるので、あんまり見れないんです。
そして、軍のお偉いさんでしょうか、そんな感じのオッサンたちが神殿の中央を闊歩して奥に入っていきます。「おいおい、観光客を差し置いて、それは無いんじゃないの!?」。
「こんなところで朝日を迎えるのか・・・」、「まさかねぇ」なんて言ってたら、
「速く速く」と係員たちがワシらを誘導し始めました。
「速く速く」とせかされて、神殿の右側から、中央へでた一瞬だけ、ほんの一瞬だけ、至聖所を拝むことが出来ました。
確かに4対ある像のうち、向かって一番左側にある闇の神「プタハ」だけが闇の中で、他の3柱の像を朝日が照らしていました。(写真はネットから転用)
思ったよりも神像は小さく、また神殿も奥行きがありませんでした。
そのまま、神殿の右側(入り口から見て)を見学することは許されず、係員にせかされて神殿の外に出たわけです・・・。
なんと最低な運営の仕方・・・。
これでエジプトが一気に嫌いになりました。
毎年2回このイベントをこなしてきている割には、なんと拙い・・・。
こんなことならこの日を外して普通に神殿を見たかった。
また、外で待って朝日が神殿の外を照らすのを見たかった・・・。
外に出ると、朝日がキレイ。あぁ、やっぱり、この朝日と神殿が朝日に照らされて色が変わっていく様を見たほうがよっぽどよかった、って再び思いましたね。
神殿外には、神殿内にこれから入ろうとする客の列が。
この様子だと、我々に与えられた時間内に神殿内に戻るのは不可能なようです。
中にいるときから、なんか音楽が聞こえてくるなぁ、なんて思ってたら、外で民族衣装に身を包んだ人たちが踊ってました。ヌビアの伝統舞踊ですかね。
そして、愕然とする事実時発見!!!
それは、そとには至聖殿を移すスクリーンが設置してあって、太陽が昇るにつれ、だんだんと神像を光に染める様子が手に取るように見れたのです!!! 少し遅れて、外で待っていたほうがよかったのです。
エジプトのクソ観光局の運営方法には本当に頭に来ましたね。
まぁ、気を取り直して、この素晴らしい神殿を眺めます。ヒツジも立腹していましたが、まぁ、神殿に、ラムセス2世に免じて機嫌を直しましょう。
さて、余った時間で小神殿の方に行って見ましょう。
こちらでも民族舞踊が。
あらら、小神殿は閉鎖されています・・・。大神殿のイベントで人数を使いすぎて、小神殿に手が周らないのでしょうか・・・。
あれ、お姉さんがこちらへやって来ます。
なんと、ワシらも舞踊の輪に誘われました!!! お姉さんに誘われて、デレデレなつボイ先生。
まぁ、そんなこんなで結構楽しむことも。
それにしても、よくもまぁ、こんな馬鹿デカイものを60㍍も上に持ってきたものですね。世界の人々の想い、またユネスコの努力には敬意を感じられずにはいられません。
でも、エジプト政府(当時はなせる大統領)はこれらの素晴らしい遺産を水に沈めようとしてたんですからね。どうしようもないですね。
神殿自体は切り刻まれた跡は殆ど見られないんですが、
岩山全体を見れば刻まれてブロックにされたことがわかります。
小神殿も然り。
日は刻一刻と昇っていきます。人造湖「ナセル湖」に映える朝日。
時間通り、6時半に駐車場に戻ると、
なんと、
ワシらのミニバンが無い!!!
やっぱり7本指を立ててたから「7時半」っていうことだったのか・・・。
この時間は勿体無いので、大神殿内を見れるかもしれない、という淡い期待を胸に抱きつつ、戻ろうとしましたが、再入場は叶わず・・・。
結局駐車場でドライバーを待つワシら・・・。
7時半になって、ドライバーは戻ってきました。「6時半って言ったじゃないか、今7時半だよ。」とケンさんが言うと、「イエス。ここ!!」と満面の笑みで答えるドライバー。これでは怒る気にもなれませんね。
一路アスワンの街に戻ります。途中ガソリンスタンドで給油。軍警察はAK47突撃銃を車内に置き去りにして、タバコ休憩・・・。セキュリティー甘すぎだよ。
というか、給油中なのに、給油をしている人もタバコを吸っている、という恐ろしさ。
スタンドのボロさも今まで行ったどの国よりも、ボロい・・・。
そんなエジプト。
アスワンには11時前に帰着。宿に戻り、生憎「タカシ」はいなかったので挨拶は出来ません弟子たが、荷物を受け取って、豪華客船に乗り込みます。1泊35米ドルで3食付。これは本当にお得です。
朝飯は食べてなかったので、ビュッフェ・スタイルの昼飯が嬉しい。しかもクオリティーが高い!!!
流石に3人とも眠気には勝てず、夕方まで仮眠。
夕方6時に目が覚めると、船はコム・オンボに到着しようとしていました。
ここコム・オンボにはプトレマイオス朝時代に建造されたセベク神の神殿があります。
セベク神とはワニ頭の神。もともとは「セベクを信仰する人をワニの害から守る」、という神だったのですが、後に「水の守り神」となり人気のある神となったのです。
まぁ、他の神殿では結構マイナーなキャラなのですが、ここでは全面的にセベクです。
面白いレリーフもチラホラ。
ここは声が反響する場所。個人個人自分にあった音階あって、それを見つけてここで唱えていると、病気も治る、とか(By ここの神殿で出会ったカナダ人のスピリチュアル系のお姉さん)。ケンさんの音階は見つかりましたか!?
夕暮れていき、神殿がライトアップされて、美しい。
ギリシア人王朝であるプトレマイオス朝の建造なので、レリーフやヒエログリフも趣が今までの神殿と違います。
やはりギリシアの影響を受けていますね。
半月が神殿を照らします。
なんか趣があって、暗がりの神殿もいいですね。
「ワニ博物館」もあって、ワニのミイラが盛りだくさん。
1時間くらいしか滞在時間はありませんでしたが、充分見て周れて楽しかったですね、この神殿。
船に戻り、ビュッフェ形式の夕飯を食べて、男3人夜風に吹かれながら語り合ったのでした。
明日の朝はエドフのホルス神殿を訪ねます。寝ている間に移動しているのはありがたいですね。
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本当にエジプトは観光客をもてなす心があるのですかねぇ。観光業が国の産業の重要な位置を占めていると思うんですが、この駄目さ加減は特筆モノです。
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82,141km
さて、無事にアブ・シンベル大神殿の至聖所に朝日が差し込むイベントを見る算段をつけまして(前の日の日記に追加しましたのでご覧ください!)、夜11時過ぎまで安眠していた我ら3人衆。
11時半ごろ「タカシ」が部屋に来て「出発だよ!」、と。迎えのミニ・バンに乗り込み、他のツアー参加者を拾いながら街外れの検問まで行きます。ここで軍警察の検問を受けて、AK47突撃銃を持った軍警察官がミニ・バンに乗り込み、警察隊の車両が先導する「コンボイ」を組んでアブシンベル神殿群まで行くのです。観光バスやミニ・バンが20台くらいでしょうか。
行程は4時間くらいなので、しばらくケンさんと話をしていましたが、多少の睡眠をとることに。結構運転が荒いので、時々目が覚めてしまいます。時速130キロくらいでコンボイ隊の中で追い越し競争をしてるんです・・・。ドライバーはひまわりの種をポリポリかじりながら「レース」を楽しんでます。おいおい。
ドライバーはずーっと、CDの(?)コーランの暗唱をかけているので、結構頭に残ってしまいます。
神殿入り口には4時ごろに到着。朝日は5時半過ぎなので1時間半くらい時間はあります。ドライバーは「6時半にここに戻って来て!!」と言っていますが、7本の指を立てながら「6時半」って言うんですね。なので、何回か「6時半か7時半か?」と確認しましたが、笑顔で7本の指を立てて「6時半!!」って言うだけなんです。と、いうことで、朝日が出てから1時間も見て周れない、ってことですね。
チケットは観光税などコミで95ポンド。結構高いです。
闇の中を歩いていくと見えてきました、アブ・シンベル大神殿!!!
デカイです。流石エジプトの英雄ラムセス2世の威信をかけて建造した神殿です。
神殿前まで来ると、係員が「急いで急いで、こっちこっち。はい、こっち側を歩いて」と誘導してきます。結構ぶっきら棒な感じでムカつきます。
で、神殿内に入るのですが、左側に通されて、そこには先着の観光客が待っています。「あれ、自由に見て周れないの!?」。
神殿内は写真撮影厳禁なので写真は一枚もありません・・・。
で、係員に「なんでここで待たされるんだ!?」と訊いたら、首を振るだけで応えてくれないのです。英語は理解できないのか!? しゃべっている英語はセリフか!?
ただ、「座れ、座れ」というだけで、どの位ここで待たされるのか、何でここで待たされるのか、この後どういう風に朝日を見れるのか、など一切説明無し。かなり不満が貯まります。
人間は自分の運命がどうなるかの情報を与えられない(牢獄や捕虜になったときに)のが一番精神的に苦痛を感じる、と聞いた事がありますが、当にそんな感じの苦痛ですね。
まぁ、気を直して、周りを見ると、見事なレリーフ。ラムセス2世のカデシュでの「戦勝」を讃えた壁画ですね。
神殿の造りも、曲線が無く、直線的で「男」ッぽい。第19王朝は軍人出身の王朝なので、武張ってる、というか男らしいのです。
それにしても、見事。
ここで待たせられるよりも、神殿を自由に歩き周りたい。
一体至聖所に朝日が差し込むのが見られるのか、それともこの場所で朝日の時間を迎えてしまうのか、さっぱりわかりません。とても不満な時間を過ごします。
「これだったら外で神殿が朝日に照らされるのを見たほうがよかった、ね」とケンさんと意見が一致。まぁ、つボイ先生は気にしてないようでしたけど。
だんだんと神殿内が明るくなってきます。朝日が昇りかけているんでしょうね。が、しかしワシらはまだまだ待機させられっぱなし。いい加減キレて外に出ようか、と思うくらいです。
柱が神殿中央とワシらが待機させられている場所の間にあるので、あんまり見れないんです。
そして、軍のお偉いさんでしょうか、そんな感じのオッサンたちが神殿の中央を闊歩して奥に入っていきます。「おいおい、観光客を差し置いて、それは無いんじゃないの!?」。
「こんなところで朝日を迎えるのか・・・」、「まさかねぇ」なんて言ってたら、
「速く速く」と係員たちがワシらを誘導し始めました。
「速く速く」とせかされて、神殿の右側から、中央へでた一瞬だけ、ほんの一瞬だけ、至聖所を拝むことが出来ました。
確かに4対ある像のうち、向かって一番左側にある闇の神「プタハ」だけが闇の中で、他の3柱の像を朝日が照らしていました。(写真はネットから転用)
思ったよりも神像は小さく、また神殿も奥行きがありませんでした。
そのまま、神殿の右側(入り口から見て)を見学することは許されず、係員にせかされて神殿の外に出たわけです・・・。
なんと最低な運営の仕方・・・。
これでエジプトが一気に嫌いになりました。
毎年2回このイベントをこなしてきている割には、なんと拙い・・・。
こんなことならこの日を外して普通に神殿を見たかった。
また、外で待って朝日が神殿の外を照らすのを見たかった・・・。
外に出ると、朝日がキレイ。あぁ、やっぱり、この朝日と神殿が朝日に照らされて色が変わっていく様を見たほうがよっぽどよかった、って再び思いましたね。
神殿外には、神殿内にこれから入ろうとする客の列が。
この様子だと、我々に与えられた時間内に神殿内に戻るのは不可能なようです。
中にいるときから、なんか音楽が聞こえてくるなぁ、なんて思ってたら、外で民族衣装に身を包んだ人たちが踊ってました。ヌビアの伝統舞踊ですかね。
そして、愕然とする事実時発見!!!
それは、そとには至聖殿を移すスクリーンが設置してあって、太陽が昇るにつれ、だんだんと神像を光に染める様子が手に取るように見れたのです!!! 少し遅れて、外で待っていたほうがよかったのです。
エジプトのクソ観光局の運営方法には本当に頭に来ましたね。
まぁ、気を取り直して、この素晴らしい神殿を眺めます。ヒツジも立腹していましたが、まぁ、神殿に、ラムセス2世に免じて機嫌を直しましょう。
さて、余った時間で小神殿の方に行って見ましょう。
こちらでも民族舞踊が。
あらら、小神殿は閉鎖されています・・・。大神殿のイベントで人数を使いすぎて、小神殿に手が周らないのでしょうか・・・。
あれ、お姉さんがこちらへやって来ます。
なんと、ワシらも舞踊の輪に誘われました!!! お姉さんに誘われて、デレデレなつボイ先生。
まぁ、そんなこんなで結構楽しむことも。
それにしても、よくもまぁ、こんな馬鹿デカイものを60㍍も上に持ってきたものですね。世界の人々の想い、またユネスコの努力には敬意を感じられずにはいられません。
でも、エジプト政府(当時はなせる大統領)はこれらの素晴らしい遺産を水に沈めようとしてたんですからね。どうしようもないですね。
神殿自体は切り刻まれた跡は殆ど見られないんですが、
岩山全体を見れば刻まれてブロックにされたことがわかります。
小神殿も然り。
日は刻一刻と昇っていきます。人造湖「ナセル湖」に映える朝日。
時間通り、6時半に駐車場に戻ると、
なんと、
ワシらのミニバンが無い!!!
やっぱり7本指を立ててたから「7時半」っていうことだったのか・・・。
この時間は勿体無いので、大神殿内を見れるかもしれない、という淡い期待を胸に抱きつつ、戻ろうとしましたが、再入場は叶わず・・・。
結局駐車場でドライバーを待つワシら・・・。
7時半になって、ドライバーは戻ってきました。「6時半って言ったじゃないか、今7時半だよ。」とケンさんが言うと、「イエス。ここ!!」と満面の笑みで答えるドライバー。これでは怒る気にもなれませんね。
一路アスワンの街に戻ります。途中ガソリンスタンドで給油。軍警察はAK47突撃銃を車内に置き去りにして、タバコ休憩・・・。セキュリティー甘すぎだよ。
というか、給油中なのに、給油をしている人もタバコを吸っている、という恐ろしさ。
スタンドのボロさも今まで行ったどの国よりも、ボロい・・・。
そんなエジプト。
アスワンには11時前に帰着。宿に戻り、生憎「タカシ」はいなかったので挨拶は出来ません弟子たが、荷物を受け取って、豪華客船に乗り込みます。1泊35米ドルで3食付。これは本当にお得です。
朝飯は食べてなかったので、ビュッフェ・スタイルの昼飯が嬉しい。しかもクオリティーが高い!!!
流石に3人とも眠気には勝てず、夕方まで仮眠。
夕方6時に目が覚めると、船はコム・オンボに到着しようとしていました。
ここコム・オンボにはプトレマイオス朝時代に建造されたセベク神の神殿があります。
セベク神とはワニ頭の神。もともとは「セベクを信仰する人をワニの害から守る」、という神だったのですが、後に「水の守り神」となり人気のある神となったのです。
まぁ、他の神殿では結構マイナーなキャラなのですが、ここでは全面的にセベクです。
面白いレリーフもチラホラ。
ここは声が反響する場所。個人個人自分にあった音階あって、それを見つけてここで唱えていると、病気も治る、とか(By ここの神殿で出会ったカナダ人のスピリチュアル系のお姉さん)。ケンさんの音階は見つかりましたか!?
夕暮れていき、神殿がライトアップされて、美しい。
ギリシア人王朝であるプトレマイオス朝の建造なので、レリーフやヒエログリフも趣が今までの神殿と違います。
やはりギリシアの影響を受けていますね。
半月が神殿を照らします。
なんか趣があって、暗がりの神殿もいいですね。
「ワニ博物館」もあって、ワニのミイラが盛りだくさん。
1時間くらいしか滞在時間はありませんでしたが、充分見て周れて楽しかったですね、この神殿。
船に戻り、ビュッフェ形式の夕飯を食べて、男3人夜風に吹かれながら語り合ったのでした。
明日の朝はエドフのホルス神殿を訪ねます。寝ている間に移動しているのはありがたいですね。
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本当にエジプトは観光客をもてなす心があるのですかねぇ。観光業が国の産業の重要な位置を占めていると思うんですが、この駄目さ加減は特筆モノです。
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